「選考は何回やればいいですか?」|中小企業の新卒選考、ステップ数の決め方と短くするコツ

事業推進本部 名古屋支社
村上 祥大
中小企業の新卒選考では、面接2回(一次と最終)を目安にし、それぞれの面接で何を確かめるかを先に決めます。一次面接は採用担当者と現場の社員が、最終面接は社長が担当します。回数を増やすより、面接と面接の間で学生を待たせないことの方が大切です。
大企業のように3回、4回と面接した方が、しっかり選べるのでは。そう考えて面接を増やした結果、最終面接の前に学生が他社に決めてしまった。新卒採用では、よくある話です。慎重に選んでいるつもりが、選ぶ前に選ばれなくなっています。
大企業には、選考中の学生にメンターをつける会社が少なくありません。ベテラン社員や、学生と同じ大学出身の先輩社員(OB・OG)が相談相手になり、面接と面接の間も連絡を取り続けます。面接の回数が多くても、学生の気持ちが離れないように支える仕組みです。
ただ、中小企業や、学生にあまり知られていない業界の会社の場合は、メンター制度などを取り入れて支える人を増やすより、面接を2回ほどに絞り、面接と面接の間を短くする方が効果的です。
結論:面接は2回、一次と最終で判断軸を分ける
面接の回数は、確かめたいことの数で決まります。中小企業の新卒選考で確かめたいことは、大きく分けて2つです。この学生と一緒に働けるか、そして本当にうちに入社する気があるか。この2つなら、面接2回で確かめられます。
一次面接は、採用担当者と現場の社員で行います。人柄と、入社時点で必要な条件を確かめる場です。最終面接は社長が出て、入社の意思を確かめ、給与や勤務地などの条件をすり合わせます。
そのうえで、面接の間を空けないことです。各ステップの間は1週間以内を目安にします。たとえば月曜の説明会でその場で木曜の一次面接を決め、翌週火曜に最終面接、その週のうちに内定を電話で伝える。この流れなら、説明会から内定まで2週間ほどです。

面接を増やすほど、学生は他社に決めてしまう
学生は、同時に何社もの選考を受けています。こちらが面接の日程を調整し、結果を伝えるまでの間も、他社の選考は進みます。面接が1回増えるたびに、この「待っている時間」も増えていきます。
たとえば、A社は面接2回で、説明会から2週間で内定を出します。B社は面接4回で、内定まで1か月半かかります。学生がB社の三次面接を待っている間に、A社の内定が出ます。B社が第一志望だったとしても、先に内定をくれたA社に決める学生は少なくありません。
面接を増やしたくなるのは、「失敗したくない」という気持ちからです。ただ、何を確かめるかが決まっていないまま回数を増やすと、どの面接でも志望動機と学生時代の話を聞くことになります。学生からすれば「また同じことを聞かれた」で終わり、会社の判断材料も増えません。
一次面接で確かめること:条件と、人柄の土台
一次面接では、入社時点で必要な条件と、人柄の土台を確かめます。ここで見るべきことを見ておくと、最終面接は社長が入社の意思を確かめることに集中できます。
ステップ | 確かめること | 出る人 |
|---|---|---|
会社説明会 | 学生に会社と仕事を知ってもらう | 採用担当者、若手社員 |
一次面接 | 入社時点で必要な条件と、人柄の土台(うそをつかないか、普通に会話ができるか) | 採用担当者、現場の社員 |
最終面接 | 入社の意思と、条件のすり合わせ | 社長 |
条件は、入社時点で無いと仕事ができないものに絞ります。普通免許、転勤ができるか、夜勤ができるかといった条件です。入社後に身につく力まで一次面接で見ようとすると、確かめることが増え、面接の回数も増えてしまいます。
人柄で見るのは、話をごまかさないか、質問に素直に答えるか、普通に会話のやりとりができるかです。学生時代の話を「どうやって取り組んだのか」と深掘りすると、話を盛っている学生は具体的な場面が出てこなくなります。
ここを一次面接で確かめておかないと、最終面接で社長から「どうしてこの学生を通したのか」と言われることになります。現場の社員に同席してもらうのは、「この学生と一緒に働けるか」を、実際に一緒に働く人の目で見てもらうためです。
書類選考や適性検査は、面接で確かめられることなら省いてかまいません。入れる場合は、何を確かめるために使うかを先に決めておきます。

短くするコツ1:その場で次の日程を決める
選考を短くする一番の方法は、次の日程をその場で決めることです。説明会の終わりに一次面接の日を、一次面接の終わりに最終面接の日を決めます。「後日ご案内します」で終わると、学生の予定は帰り道で他社に埋まります。
その場で決めるために、次のステップの候補日を2〜3つ用意しておきます。「どちらが空いていますか」と聞けば、学生はその場で選べます。面接の結果も、「○日までに電話でお伝えします」と伝える日を約束し、その日を守ります。
その場で日程が決まらなかった学生には、当日、遅くとも3日以内に連絡します。説明会や面接の感想を一言添えると、一斉送信ではないことが伝わり、学生も返事をしやすくなります。
短くするコツ2:同じ日に続けて行う、オンラインを使う
日程を詰めにくいときは、同じ日に続けて行います。たとえば説明会の後に、希望する学生だけ一次面接まで進む形です。学生は1日で次の段階まで進めるので、移動の負担も減ります。
遠方の学生には、一次面接をオンラインで行うのも一つの方法です。最終面接は来社してもらい、職場の雰囲気を見てもらいます。すべてを来社にこだわると、日程が合うまでに時間がかかり、その間に他社の選考が進みます。
最終面接の前には、採用担当者が学生の迷いを先に聞いておきます。他社の選考状況、迷っている点、家族の意見。事前に聞いておけば、最終面接で社長がその不安に答えられます。内定を出すと決めたら、できるだけ早く電話で伝えます。

まとめ
中小企業の新卒選考は、面接2回(一次と最終)が目安。確かめたいのは「一緒に働けるか」と「入社する気があるか」の2つ。
一次面接は採用担当者と現場の社員、最終面接は社長と役割を分ける。各ステップの間は1週間以内が目安。
面接を増やすほど学生を待たせる時間が増え、先に内定を出した他社に決められやすくなる。
一次面接では、入社時点で必要な条件と、うそをつかないか、普通に会話ができるかという人柄の土台を確かめる。
次の日程はその場で決め、結果を伝える日を約束する。日程を詰めにくいときは同じ日に続けて行い、遠方の学生にはオンラインも使う。
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この記事の著者

事業推進本部 名古屋支社
村上 祥大
グローバル展開する大手アパレルブランドにて、店舗マネジメントを担当。 その後、営業コンサルティングを行う株式会社Empower Xにて、福利厚生SaaSや年商約100億円規模のオフィス移転事業の売上創出とマーケティングを支援。 目標比150%という圧倒的な成果を挙げ、その実績が評価され社内表彰を受ける。 株式会社VOCO入社後は、住宅エネルギー、農業、自動車販売、建設など幅広い業界の採用支援に携わる。BtoC・BtoB双方の現場で培った実行力と、最新の採用市場・学生動向への知見を武器に、採用計画の設計から実行までを一貫して担う。 現在は名古屋支社を拠点に、現場感のある採用支援を推進している。

