「文系でも大丈夫ですか?」と何度も聞かれる会社へ|専門職や技術職の仕事を、未経験の学生に伝える方法

事業推進本部 名古屋支社
村上 祥大
「文系でも大丈夫ですか?」と聞く学生には、「大丈夫です」の一言ではなく、その根拠を見せます。入社時点で必要なことと入社後に身につくことを分け、最初の3か月で何をどう教わるかを話し、文系出身の先輩に語ってもらう。この3つで、学生の不安はぐっと小さくなります。
設計、施工管理、システム開発、整備。技術職や専門職を募集すると、説明会で必ずと言っていいほど出るのが「文系でも大丈夫ですか?」という質問です。担当者が「大丈夫ですよ」と笑顔で答えても、学生の表情はあまり晴れません。本当に知りたいのは、大丈夫だと言える理由だからです。
結論:「大丈夫」の根拠を3つ見せる
学生が安心するのは、「大丈夫」という言葉ではなく、大丈夫だと思える根拠を自分の目で見たときです。見せる根拠は3つあります。①入社時点で必要なことは何か、②入社後に何をどう教わるか、③同じ文系から入って働いている先輩がいるか、です。
中小企業が掲げる採用の条件は、実際に活躍している社員の入社時点の姿より高くなりがちです。社員に「入社したとき、専門知識はありましたか」と聞くと、なかった人が意外と多いはずです。その事実こそが、学生に一番伝わる根拠になります。
理系の学生がなかなか応募してこない会社ほど、この伝え方が大切です。数字や仕組みを考えるのが得意な理系脳を持つ文系学生にとって、技術職は自分では思いつかなかった選択肢になることがあります。

学生が「文系でも」と聞くのは、何が不安だからか
「文系でも大丈夫ですか?」の裏には、いくつかの具体的な不安が隠れています。不安ごとに答え方を用意しておくと、説明会でも面接でも迷わずに答えられます。
学生の不安 | 答え方の例 |
|---|---|
専門知識がなくて、ついていけるか | 入社時点で必要なことは2つだけで、残りは研修で教えると伝える |
数学や物理が苦手でもいいか | 仕事で使う計算の例を見せ、どのくらいのレベルかを具体的に伝える |
理系の同期と差がつかないか | 最初は差があることを正直に伝えたうえで、文系出身で活躍している先輩が、何年目にどんな仕事を任されているかを話す |
求人票や説明会の資料に専門用語が並んでいると、この不安はさらに大きくなります。仕事の説明は、学生が知っている言葉に置き換えて話してください。言い換えの方法は、別の記事「『その会社、何をしているんですか?』と聞かれたら」で扱っています。
伝え方1:入社時点で必要なことと、入社後に身につくことを分ける
まず、入社時点で身につけておかなければならないことと、入社後に身につくことを分けて伝えます。
たとえば設計職なら、「入社時点で必要なのは普通免許だけです。図面の読み方や設計ソフトの使い方は、入社後に教えます」と言い切れるかどうかです。言い切れるなら、それをそのまま学生に伝えます。
反対に、本当に必要な専門知識がある場合は、隠さずに伝えます。「電気の基礎は入社前に資格の勉強をしてもらいます。会社が受験費用を出します」のように、何を、いつまでに、どう身につけるかまで話すと、学生は準備のイメージが持てます。
どんな文系の学生が向いているかも伝えます。「数字を比べるのが好き」「プラモデルや料理のように、手順どおりに組み立てるのが得意」など、学生が自分に当てはめられる言い方にすると、「それなら自分にもできそう」と思ってもらえます。

伝え方2:最初の3か月で、何をどう教わるかを見せる
「入社後に教えます」だけでは、学生はまだ不安です。最初の3か月で、誰に、何を、どの順番で教わるのかを具体的に話します。
たとえば「1か月目は先輩の現場に同行して、道具と用語を覚えます。2か月目からは簡単な図面を先輩と一緒に描き、3か月目には小さな案件を一人で担当します」。時期と中身があると、学生は自分が成長していく姿を思い描けます。
新人がつまずきやすい点も、先に伝えておきます。「最初の壁は部品の名前です。先輩が作った一覧表で、3か月かけて覚えます」と言われると、学生は「つまずいても助けてもらえる」と受け取ります。つまずきを隠さない会社ほど、学生には安心に見えるものです。
伝え方3:文系出身の先輩に話してもらう
一番説得力があるのは、文系から入って働いている先輩本人の話です。同じ立場だった人が「大丈夫だった」と話すと、学生は担当者の100回の「大丈夫」より信じます。
先輩には、3つのことを話してもらいます。①なぜ文系からこの仕事を選んだか、②入社して一番苦労したことと、どう乗り越えたか、③今どんな仕事を任されているか、です。
「最初は用語が分からなくて、理系の同期に置いていかれる気がしました」という失敗談ほど、学生の心に残ります。そのうえで、今どこまでできるようになったかを話してもらうと、差は埋められるものだと伝わります。
文系出身の社員がいない会社は、入社時点で専門知識がなかった社員や、専攻とは違う分野に進んだ社員に話してもらいます。新人に教える役の先輩から、教え方を話してもらうのも効果的です。

まとめ
「文系でも大丈夫ですか?」には、言葉ではなく根拠で答える。根拠は、入社時点で必要なこと、教わる流れ、文系出身の先輩の3つ。
学生の不安は、専門知識、数学や物理、理系の同期との差など。不安ごとに答え方を用意し、専門用語は学生が知っている言葉に置き換える。
入社時点で必要なことと入社後に身につくことを分ける。本当に必要な専門知識は隠さず、身につけ方まで話す。
最初の3か月で、誰に何をどの順番で教わるかを話し、新人がつまずく点も先に伝える。
文系出身の先輩に、選んだ理由、苦労と乗り越え方、今の仕事を話してもらう。いなければ、専門知識なしで入った社員に話してもらう。
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この記事の著者

事業推進本部 名古屋支社
村上 祥大
グローバル展開する大手アパレルブランドにて、店舗マネジメントを担当。 その後、営業コンサルティングを行う株式会社Empower Xにて、福利厚生SaaSや年商約100億円規模のオフィス移転事業の売上創出とマーケティングを支援。 目標比150%という圧倒的な成果を挙げ、その実績が評価され社内表彰を受ける。 株式会社VOCO入社後は、住宅エネルギー、農業、自動車販売、建設など幅広い業界の採用支援に携わる。BtoC・BtoB双方の現場で培った実行力と、最新の採用市場・学生動向への知見を武器に、採用計画の設計から実行までを一貫して担う。 現在は名古屋支社を拠点に、現場感のある採用支援を推進している。

