新卒採用の予算は、ナビサイト・合同説明会・人材紹介にどう配分する?|目標人数から逆算して決める

事業推進本部 名古屋支社
村上 祥大
新卒採用の予算をナビサイト・合同説明会・人材紹介にどう配分するかは、目標の承諾人数から逆算した必要な母集団数と、前年どの施策から何人採れたかで決めます。そのうえで、予算と社内の人手の範囲で、前年から伸ばせる数字に予算を寄せます。
「ナビサイトの掲載料と合同説明会の出展料、人材紹介の費用。来期はどこにお金をかけるべきか」。新卒採用を担う社長や総務の方から、毎年のように受ける相談です。比べ方と決め方を、順に説明します。
結論:配分は必要な母集団数と、どの施策から何人採れたかで決める
ナビサイト、合同説明会、人材紹介は、同じ物差しで一度に比べられるものではありません。ナビサイト(マイナビ・リクナビなどの就職情報サイト)は会社を知ってもらう場所、合同説明会は学生と直接話す場、人材紹介は学生を確実に採りに行く手段です。
ナビサイトでは、学生が従業員数や初任給などの条件で会社を絞り込んで探します。条件に合わない会社は、そもそも検索結果に表示されないことがあります。希望の職種にぴったり合う場合などは表示されますが、掲載するだけで学生の目に入るとは限りません。
決める順番は3つです。
①目標の承諾人数から、必要な母集団を逆算する。
②施策ごとに、何人採れたかと1人あたりの採用費用を出す。
③予算と社内の人手の範囲でどこに当てはめるかを決め、前年からどの数字を伸ばせるかを考える。

ナビサイト・合同説明会・人材紹介は役割が違う
3つの違いは、学生と直接話せるか、何人に会えるかを事前に見込めるか、費用のかかり方にあります。違いを表にまとめます。
項目 | ナビサイト | 合同説明会 | 人材紹介 |
|---|---|---|---|
主な役割 | 会社を知ってもらう。会った学生が会社を調べる場所 | 学生と直接話し、説明会や選考につなぐ | 質の高い学生を、確実に採りに行く |
学生と直接話せるか | 話せない | ブースに座った学生とは話せる | 紹介を受けた後の説明会で話す |
会える人数の見込み | 条件で絞り込まれ、表示されないこともある | ブースに何人来るかは、当日まで読みにくい | 紹介してもらえる人数に上限がある |
費用の形 | 掲載料 | 出展料と、当日の人件費・交通費 | 採用1名ごとの成功報酬 |
大規模な合同説明会の出展料は50万〜90万円程度が一般的で、話せた学生が10人台にとどまることも珍しくありません。出展料だけを見て決めると、1人あたりの費用が高くつくことがあります。
新卒の人材紹介は、1人あたり百万円前後になります。費用が大きいぶん、確実に学生を採用する手段として、使う人数を決めてから当てはめます。
まず、目標人数から必要な母集団を逆算する
配分を考える前に、目標の承諾人数から、必要な母集団の人数を出します。承諾人数を、承諾率、内定率、面接参加率、説明会参加率で順に割り戻すだけです。
たとえば、承諾5名を目標に置きます。過去の通過率から割り戻すと、例では、承諾5名を得るのに母集団が249名必要でした。この249名が、次のシーズンに集める人数の目標になります。
実際に集まったのが180名なら、約70名足りません。入り口の問題なので、出るイベントを増やすか、足りない分を人材紹介で補います。一方、249名集めたのに承諾が2名なら、途中の段階で抜けている問題です。この場合は、予算を足す前に連絡や説明会の進め方を見直します。
通過率は、他社の数字ではなく自社の過去3年の数字から置きます。記録がなければ、まず記録を始めます。また、ナビサイト経由と合同説明会経由では学生の志望度も理解度も違うため、通過率は媒体ごとに分けて出します。

前のシーズンの施策を1枚の表で比べる
次に、前のシーズンの施策を1枚の表に並べます。列は「施策」「かかった費用」「話せた学生の数」「承諾した人数」の4つです。
費用には、掲載料や出展料だけでなく、社内でかかった分も含めます。合同説明会なら、当日の人件費と交通費に加えて、出展した社員がその日にできなくなる本来の仕事の量も考えます。社員2人が1日ブースに立てば、その2人分の仕事が1日止まるということです。
承諾した人数を施策ごとに並べると、どの施策から何人採れたかが分かります。たとえば承諾5名のうち3名が合同説明会、2名が人材紹介から、という形です。
費用の計算は2つです。1人と話すのにかかった費用=施策の費用÷話せた学生の数。1人あたりの採用費用=施策の費用÷その施策から承諾した人数。前者で場の効率を、後者で最終的な成果を見ます。
ナビサイトのように、どこから来たかをたどりにくい施策もあります。その場合は面接で「どこで当社を知りましたか」と聞き、記録に残します。ナビサイトで承諾0人が2シーズン続いたら、縮小を検討します。

足りない分は、イベントを増やすか人材紹介で補う
逆算と表がそろったら、予算と社内の人手の範囲で配分を決めます。母集団が足りないなら、何人と話せるかを事前に見込めるイベントを増やします。ただし、出展するたびに社員の1日が使われるため、社内で回せる回数にも上限があります。
人材紹介は、目標人数のうち「最低でもこの人数は採る」というミニマムの人数を決めてから当てはめます。イベントやナビサイトで届きそうにない分を、人材紹介で補う考え方です。1人あたり百万円前後かかるため、何人分を当てるかで予算の大きな部分が決まります。
前のシーズンから伸ばせる数字も探します。私たちが見てきた範囲では、多くの会社は入り口ではなく途中で抜けています。連絡の速さや経営者が出る場面を見直せば、お金をかけずに伸ばせる段階があります。
予算を減らすときも、一律に削りません。承諾につながっていない施策から止めます。参考までに、リクルート就職みらい研究所「就職白書2020」では、新卒1人あたりの採用費用の平均は93.6万円と報告されています。
まとめ
ナビサイトは知ってもらう場所、合同説明会は直接話す場、人材紹介は質の高い学生を確実に採りに行く手段。役割が違うので、同じ物差しで一度に比べない。
目標の承諾人数から必要な母集団数を逆算し、通過率は自社の過去3年の数字を媒体ごとに使う。
施策ごとに費用と承諾人数を並べてどこから何人採れたかを出し、合同説明会は社員がその日にできない仕事の量まで含めて、1人あたりの採用費用も出す。
母集団が足りなければイベントを増やすか、目標の最低人数のうち届かない分を人材紹介で補う。
途中で抜けている段階は、予算を足す前に連絡や説明会の進め方を見直し、効いていない施策から削る。
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この記事の著者

事業推進本部 名古屋支社
村上 祥大
グローバル展開する大手アパレルブランドにて、店舗マネジメントを担当。 その後、営業コンサルティングを行う株式会社Empower Xにて、福利厚生SaaSや年商約100億円規模のオフィス移転事業の売上創出とマーケティングを支援。 目標比150%という圧倒的な成果を挙げ、その実績が評価され社内表彰を受ける。 株式会社VOCO入社後は、住宅エネルギー、農業、自動車販売、建設など幅広い業界の採用支援に携わる。BtoC・BtoB双方の現場で培った実行力と、最新の採用市場・学生動向への知見を武器に、採用計画の設計から実行までを一貫して担う。 現在は名古屋支社を拠点に、現場感のある採用支援を推進している。

