会社説明会の資料はどう作る?|「溢れさせてから削る」作り方と、イベント用・単独説明会用の作り分け

経営戦略本部 大阪本社マネージャー
堀本 大然
会社説明会の資料は、先輩やうまくいっている会社の型をそのまま踏襲し、そこに自分なりの付加価値を1つ加えて作ります。そのうえで情報を一度溢れさせてから削り、イベント用と単独説明会用の2種類に仕上げます。
資料の中身は、自社をどれだけ深く知っているかで決まります。
「説明会の資料をどう作ればいいか分からない」「イベントでも単独説明会でも同じ資料を使っている」。採用担当がいない中小企業でよく聞く悩みです。私たちは企業の採用担当として年間100回以上イベントに登壇し、そのたびに資料を作り直しています。
結論:情報を溢れさせてから、イベント用と単独説明会用の2種類に削る
資料の作り方は2段階です。
第1段階は、既にある型を完全に写すこと。
第2段階は、会社を深く知った上で情報を溢れさせ、場に合わせて削ること。
この順番を飛ばしてゼロから作ると、作り手が語りたいことだけの資料になります。
削り方は、使う場によって変わります。イベントで使う資料は、学生の関心を引き、次の選考に進んでもらうためのものです。単独説明会で使う資料は、仕事の中身を具体的に伝え、入社後の姿を描いてもらうためのものです。目的が違うため、1つの資料では兼ねられません。

作り方1:先輩の資料と流れをそのまま踏襲してから、1つ足す
最初の資料は、ゼロから作りません。社内にある既存の説明会資料、前任者の話の流れ、うまくいっている同業他社の構成を、まずそのまま写します。順番、枚数、話す時間まで同じにします。
写した上で、自分なりの付加価値を1つだけ加えます。自分が現場で見た一場面、社員から聞いた一言、学生から出た質問への答え。1つで十分です。最初からすべてを自分の色にすると、型が崩れて伝わらなくなります。
会社を勉強していくと、既存の資料を作り直したくなる時が来ます。その時が、自分で作るタイミングです。作る過程そのものが、会社を知る一番の勉強になります。
作り方2:情報を溢れさせ、時間に合わせて2種類に削り分ける
自分で作るときは、最初に情報を溢れさせます。この段階では削らず、すべて入れます。
次に、使う場の時間に合わせて削ります。私たちの経験では、学生全員と直接話す完全接触型のイベントは、1回20〜25分のケースが多くあります。
大規模なイベントでは、着座する学生の数と、単独説明会やインターンシップなど次の選考への予約率が最も高くなる1回の時間は、15〜20分程度だと考えています。単独説明会は1時間程度が適しています。
そのため、イベントに出る企業は、20分用と60分用の2種類のスライドを作ることをお勧めします。スライド1枚に使う時間は1〜2分が一般的な目安とされるため、20分用は10〜15枚程度、60分用は質疑応答の時間も見込んで30〜40枚程度が目安です。

イベント用(20分):魅力を3つ、当てはまる学生が多い順に並べる
イベント用の資料は、学生の関心を引き、次の選考に進んでもらうことを最優先にします。20分で会社のすべては伝えられません。会社の魅力を3つに絞り、より多くの学生が当てはまる魅力から順に説明します。
この順番にするのは、学生に「自分には関係ない」と思わせないためです。最初に一部の学生にしか響かない話をすると、残りの学生の関心が離れ、その後の説明を聞いてもらえません。並べ方の例を表にまとめます。
順番 | 当てはまる学生 | 例文 |
|---|---|---|
1つ目 | ほぼ全員(社会人になることに不安がある) | 「入社後の3か月は、先輩が1対1で仕事を教えます。何から始めればいいか不安な人ほど、安心して働き始められます」 |
2つ目 | 多くの学生(早く成長したい) | 「1年目から、お客様と直接話す仕事を任せます。早く一人前になりたい人には、経験を積める環境です」 |
3つ目 | 一部の学生(地元で働きたい) | 「転勤はありません。地元に根を張って長く働きたい人に合う会社です」 |
例文の数字や制度は、自社の事実に置き換えてください。最後のスライドには、単独説明会やインターンシップの日程を載せ、その場で予約できるようにします。

単独説明会用(60分):具体的な業務内容まで伝える
単独説明会用の資料には、イベント用の3つの魅力に加えて、具体的な業務内容を入れます。単独説明会に来る学生は、すでに会社に関心を持っています。知りたいのは、入社したら自分が何をするのかです。
加える内容は、1日の仕事の流れ、具体的な業務内容、社員の声、キャリアの実例、給与の内訳、社内のルールなどです。会社概要、沿革、組織図は短くまとめます。
削るときの基準は「目の前の学生が知りたいことか」です。会社が伝えたいことかどうかではありません。
説明会の後で、学生に「どこが分かりにくかったか」「もっと聞きたかったことは何か」を直接聞き、次の資料に反映させます。
私たちが見てきた範囲では、枚数が多い説明会より、学生の質問が多く出る説明会の方が、次の選考に進む学生は多いです。
まとめ
資料は、既存の型をそのまま踏襲してから付加価値を1つ加える。ゼロから作らない。
自分で作るときは情報を溢れさせ、イベント用(20分・10〜15枚程度)と単独説明会用(60分・30〜40枚程度)の2種類に削る。
イベント用は次の選考に進んでもらうことが最優先。魅力を3つに絞り、当てはまる学生が多い順に並べる。
単独説明会用には、具体的な業務内容を加える。削る基準は「目の前の学生が知りたいか」。
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この記事の著者

経営戦略本部 大阪本社マネージャー
堀本 大然
小樽商科大学を卒業後、株式会社データXにて新規事業として展開する経営管理SaaSのカスタマーサクセスを担当し、既存顧客の支援やアップセル・クロスセルの提案を経験。その後の営業会社では、営業コンサルティング部署にて、上場企業の新規事業立ち上げに従事。加えて、マーケティングや、新卒特化型スカウトサービスの新規営業も担い、全社MVPを受賞。その後、創業期の株式会社VOCOに入社。現在は北海道・東海・関西エリアを中心に、日本の大手電力10社の一角を担うグループ企業の子会社や、売上高300億円を超える上場小売企業など、幅広い業界で新卒・中途採用の外部人事を担当。経営戦略本部の一員として、データとAIを活用した採用支援や業務効率化にも取り組んでいる。

